上に抜けた。

今週で直近の安値から、安値・高値を切り上げて四週目になりました。非常に勢いがついている相場ですので、来週は大きな値幅は出るかどうかともかくも、やはり、下値は切り上げる展開を予想します。

今回は、この相場が月足で今後どうなるのか?を過去の動きと良く似た事例を参考に考えてみました。以前、このブログでも取り上げたデジャブチャートでの分析です。

さて、現況では陽線が4ヶ月継続し、5ヶ月目も陽線になると仮定します。この仮定で下の月足チャートを見て欲しいのですが、わりと卑近な例で5ヶ月以上陽線が継続したケースを参考にしたいと思います。そのケースが2回あり、それがボックスで示したXとYです。

Xは、小泉政権における円安政策でできた連続陽線で、Yは、リーマンショック後、麻生政権での景気対策とリバウンドによるものです。それぞれ、陽線がXでは9ヶ月、Yでは6ヶ月続きました。似ているのは、Xであった円安政策で円キャリートレードを巻き起こして米国株も上進しそうなところが良く似ていて、一方、選挙を控えて景気対策を打ったYとも環境が似ているわけです。つまり、XとYの双方の条件がある今回の相場は、XやY以上の上昇の可能性もある、と、いうことで、期待をしています。

恐らく、今後待ち受ける抵抗線のうち、強力なものはA・B・Cではないかと思います。この近辺で月足陰線が出るようなら要注意となるでしょう。

最後に、伸びしろが大きかったXの値幅を線分イロで表しましたが、それをそっくりそのまま転記したのが右端の茶色で示した線分αβです。今回はXとYの双方であった好材料が合成された相場となっていますので、このαβより大きな値幅が出るのでは?と考えてはいますが、もしもそのような場合は、抵抗線Aがらみで、参議院選挙前の高値(今年5〜6月高値)を示すのでは?と期待しています。(参議院選挙は7月の上旬〜下旬ですから、選挙モードに入るのは6月であろうと思います。)

ちなみに、自民党が勝利すれば、その後、消費税増税が待っていますので、株価は頭打ちになる可能性はかなり大きいです。増税の完全実施確定は円の実質金利が上がる、と、いう思惑になりますので、円安一服で円キャリートレードも足踏みし、アメリカ株式も黄色信号になる可能性もあり、年後半に向けてはやはり株式市場は軟調にならざるおえない、と、予想しています。ただ、2006年前後であったような日銀による金融引き締めはないと考えています。増税社会保険の負担増がオンパレードになるからです。その場合、2014年の1月以降、金融緩和の継続と円の安値維持と公共投資の増額によって急激なバブル相場に突入して2015年に大天井を打つ可能性もあります。この場合、株価3万円超を予想していますが、まだ、その辺りのことを考えてトレードをしない方が良いと思います。あくまで、目先の今年5〜6月が重要です。

(過去の株価変動を参考にする場合、現在は1986年と良く似た状況にあると思います。したがって、1986〜1989年までの相場を良く見直しておくと良いと思います。1986年はルーブル合意があり、ドル安に歯止めをかけようとしました。思惑ははずれましたが、今回はドル高円安に成功しています。当時は失敗しても株価が上昇したの対し、今回は円安に成功していますので、どれだけ株価にインパクトがあるか分かると思います。その場合、1987年10月19日に起きたブラックマンデーは学んでおいて損はないと思います。2013年の夏以降は要注意です。もしも、6月高値で一旦軟調になり、再び上がって10月で2番天井をとれば、ブラックマンデー当時とチャートはそっくりになります。)

もちろん、目先の話でも、期待いっぱいの仮定でしかありませんから、もしも、月足で陰線が出るような場合はこのシナリオは黄色信号が灯ることにはなると思いますので、その点は注意して考えて欲しいのはいつものお約束です。

PS:画像をクリックすると、少し大きくなります。