アメリカの国益。

トランプ大統領は、アメリカ第一主義を唱えましたが、そもそも、アメリカが第一主義でなかった時代など存在しません。これに対して、支持者は今後のアメリカに強い期待を持っているわけですが、たしかオバマが大統領になったとき、TVでシカゴの黒人が”これで仕事がやってくる。”と、つぶやいていたのを思いだしましたが、仕事はやってきませんでした。今回はそのすべての責任を世界が悪い、と、して、世界をアメリカの前にひざまずかせようとしています。

一方、就任式の外では、暴動のような状況となっており、アメリカが一枚岩になれない可能性はそんなに低くないような気がします。少なくとも、景気を良くしなければ、アメリカは一枚岩になれないような気がします。

トランプは軍事力の強化もに言及していますので、アメリカ第一主義は、軍事力による世界支配。アメリカの利益のみを追求して、世界を搾取する。そんな感じにも受け取れます。結局、各国の利益と相容れないわけで、この整合性をうまくできないと、ブロック経済への道のりはすぐ近くにあるような感じです。

さて、その中で重要なのは、各国の財政出動による景気対策だと思います。貿易による景気回復への期待は今後はそれほど大きくない。そんな感じはしました。ちなみに、TPPについては、トランプは離脱を表明していますが、いずれはブロック経済化するならTPPはむしろ必要になってくるはずです。

安全保障についての今後のアメリカの行動予想は意見が分かれています。一つは孤立外交になるのでは?と、いうもので、もう一つは、イラク戦争のように、紛争をまき散らすようなやり方になるのでは?と、いう見方の二つがあります。どちらにしても戦争・紛争は多くなるのは必至です。

日本経済は、公共投資と防衛費の増額によって、結局は良くなる方向で考えてはいますが、20世紀初頭の帝国主義時代の終盤のような形に戻る可能性は考えなければならないでしょう。

今週のTOPIXチャートはココ。

と、いうわけで、今週の東証ですが、比較的、下ひげの長い陰線になりました。赤い矢印で示しましたように、2本目の足ができた格好になっていますので、反騰の条件としては、最低限の状況は整ったようには思いますが、トランプの主張である、TPPの離脱・NAFTAの再交渉、そして、他国との新たなる2国間協定がありますので、何とも言えません。この先、しばらくは、米国市場が上昇しても、東証はさほど上昇しない可能性もありますので、調整が継続する場合もあります。日本の場合、デフレが継続していることを合わせて考えてみれば、起爆剤アメリカよりも日本の財出動の方が大きいのでは?と、考え始めています。

したがって、現段階では対処の変更はしないでおこうと思います。引き続き、玉を仕込んで、反騰を開始するのを待つ、と、いうスタンスには変更はありません。

良い週末を。

ハッピーエンド(back number covered by 粉ミルク)
https://www.youtube.com/watch?v=1oaa3JZ63CU