金融緩和が効果的ではない事情。

憶測でしかないのですが、日本にとって景気回復のベースとして政府が考えているのがTPPではないか?と、思います。

日本はそもそもが、国民性からして、ため込み体質ですから、消費性向がアメリカなどより遥かに小さいわけです。資金の市場への投入が1あっても、消費に使われるのは0.7前後で、残りは貯蓄に回ってしまいます。アメリカの場合はこの消費性向が0.9以上ありますので、多くが消費に回るわけです。

このため込み体質を直すには、相当期間の政策的誘導が必要ですから、外需の増大ができないのなら、公共投資などで、強制的に政府が金を使ってやるしかないわけです。したがって、金融緩和では日本の場合、アメリカに比べれば、効果的に働かないのだと思います。

そうなると、金融緩和の効果は円安になることで、外需が増大して、結果的に景気が回復する、と、いうパターンになりがちです。

実は、円高でも景気回復する例がなくはないのです。たとえば、土地価格の増大が顕著に起きている場合などです。この場合、銀行の担保価値が増えて、結果的に貸出し額が増えることで、景気回復に至るわけです。ただし、これは長期には続きませんので、この土地価格の増大が円安が長期に続いて国内設備投資を伴って起きた場合に最強になるわけで、これが高度経済成長を支えたわけです。逆に言えば、公共投資で土地価格の増大を継続的に起こせば、内需拡大につながると思います。

つまり、公共投資は、直接消費を増やし、土地価格の増大で銀行貸出しを増やして、二次的に消費を増やします。しかも、税収増をもたらしますので、何もしないよりは財政の悪化を食い止めます。今、政府の財政がまずいのは、社会保障の増大のせいと、不景気が続いたことによる所得・法人税の減税のしすぎによります。ただ、直接税の増税は政治的には不可能でしょうから、公共投資を増大させて、間接税を上げて税収をもとに戻す、と、いうことが必要だと思います。

さて、今日の東証は下げました。TOPIXは週足ベースで、陰転の可能性が増大しました。チャートは急激に悪化しています。サミットが終われば、補正予算を組むのでしょうけど、額が問題です。効果は薄いとは言え、金融緩和を同時に行うことは難しくなっていますので、補正予算の追加5兆円では足りないかもしれません。10兆円ならまずまずではあると思いますけど、果たして長く効果が続くのか?と、いう、心配もあります。完全に選挙対策のための政策でしかないような気もしないでもありません。

対処は、保有玉は半分まで減らして、様子見が良いと思います。

良い週末を。

VICTORY(EXILE
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