浜矩子先生とヘリマネ。

今日はヘリマネが大嫌いな先生のことを書こうと思います。

浜先生は、アベノミクスをアホノミクスと呼んでいます。それくらい、超量的緩和が嫌いな先生です。

浜先生はヘリマネについても、毒入り紙幣と呼んでいるようです。その毒、と、いうのは、結果的に戦前にやった高橋是清の政策が、戦争へと突き進んで行く一翼を担ってしまったことにあり、そもそもが、政府と日銀が独立しないと、民主主義がぶっ壊れ、独裁政治になるので駄目、と、言っているようです。

ここで戦前の話を少ししておきましょう。日本は大正の末期ごろ、第一次世界大戦終結により、受注が大幅に減少して、不景気となっていました。そこに、関東大震災で首がまわらなくなり、銀行の倒産が相次ぐ、金融恐慌に陥ってしまいました。これが昭和の金融恐慌です。そこにやってきたのが、ウォール街の大暴落、世界恐慌の始まりです。状況は、今の日本と良く似ています。

バブル崩壊阪神大震災住専問題。山一証券倒産。サブプライムショック。リーマンショック。東北震災。そして、昨今の世界的な景気減退。

そこで、当時は大胆にヘリマネをやったわけです。このとき同時期に起きたのが、満州事変・日中戦争でした。日本はヘリマネで戦費の調達も行い、ヘリマネの出口戦略を練ろうとしたところ、陸軍の反対にあい、結果的に226事件を経て、太平洋戦争へと突入して行くわけです。浜先生はこれを危惧しているのでしょう。

ただし、浜先生の論理の中に当時、ヘリマネをやらなかったら?とってもハッピーな日本のままだったか?と、いう基本的な論点が抜け落ちちゃっています。たしかにヘリマネによって、日本の立ち位置は変化せざるおえません。ヘリマネの副作用である、ハイパーインフレにしないためには、世界に円を退蔵してもらわねばなりませんから、結果的に、アメリカのような軍事大国化の道をある程度歩まねばならなくなります。

一方で、アメリカにいつまでもおんぶにだっこの状態でも、今の日本の生活水準は守れません。そのアメリカが世界からひきかかっているからです。最悪は日本国民の餓死者続出も覚悟しての話になります。浜先生の構造改革の主張というのはそれを指します。

現在、日本は世界とのリンクをやめるわけには行かないわけで、そのリンクを容易にしてきたのがアメリカ軍の世界展開であり、アメリカの政策である、自由貿易というしろものです。アメリカをサポートしながら、現在のアメリカ覇権の維持をサポートするのが日本にとって、依然としてお得であることは明白です。

浜先生はリーマンショックで何故に日本が大きな痛手を負ったのか?その理由について外需依存が大きいから、と、言っています。それはその通りだと思います。ですから、内需主導に構造改革せよ。と、言うわけなのででしょうが、内需を拡大するには個人消費がカギとなります。しかるに、個人消費を高めるには、継続的な賃金上昇が必要ですから、誰かが無駄遣いをしてやる必要があります。ところが、賃金が上がらないので、無駄遣いをみんなしません。この堂々巡りとなります。

そこで必要なのが財政出動ですが、政府にお金がありません。だから、ヘリマネなわけです。日銀がお札刷って政府が無駄遣い(必要な支出?)をしてやるのが骨子です。

浜ノミクスを浜先生は提唱されています。1.脱世界一 2.脱格差 3.脱幼児性 の3点なのですが、経済政策というより、精神論に近いものです。結局、みんな貧乏になって格差を是正、仮に餓死しそうになっても黙って大人の対応で潔く死にましょう。そんな提唱に聞こえてしまいます。

さて、今日の東証円高で、急落しました。日銀の買い支えがあって、やっと現水準を保っているような感じでしょうね。もしかすると、日銀の6兆円ETF買いは、9月までの時間稼ぎのつもりなのでは?そんな気もしていますが、9月の日銀政策決定会合まで、現在の水準を維持できるのでしょうか?下げ方そのものは、嫌な感じの下げです。

対処は、総資金の20%まで、で、止めておくしかなさそうです。対策したのに、相場が下げ続ければ、9月にでも何等かの動きが出るのでしょうが、それまでは、日銀のETF買いしかありません。それがつらいところです。おそらく、為替介入もアメリカが大統領選挙真っ只中でできないと思います。まずいですね。

今日の動画はいつもと違い、花火の話です。

https://www.youtube.com/watch?v=_sROTqPDDwM