円高。

戦後の特に、変動相場制になってからは、日本にとっての大きな政策課題は、巨額の経常黒字を記録しても、如何に円高を防止するか?にありました。2000年ごろまではアメリカは強いドルを志向する傾向も強く、それは比較的容易でしたが、リーマンショック以降アメリカの国内事情も厳しくなってきたようで、強すぎるドルが全面的に前に出てこなくなりました。

そのため、常に、輸出ドライブをかけて、経済成長してきた日本にとっては、1980年代から内需拡大が至上命題となったのですが、それがどうもうまくいきませんでした。バブル崩壊以後、輸出ドライブをかけにくくなったたために、度重なる景気対策として、財政出動を行ったのですが、景気を本格各回復させることができず、借金が雪だるま式に増える一方で、日本企業は円高を利用して海外投資を積極的に行っていますので、貿易黒字こそ大きくはないものの、海外からの配当等の所得収支などが増大して、結局、円高はとどまることを知りません。

2000年以降は少子高齢化社会福祉の経費増大をもたらして、公共投資を減らしても、借金は増え続けることになりましたが、それでも、円高は止まらないわけです。それは日本の経常収支の黒字が継続的で大き過ぎるからでしょうね。

悪くなったと言っても、日本の失業率は世界から見れば天国に値します。それだけ、産業競争力があるからです。産業をぶち壊すのが嫌ならば、リスクはあるものの、円をばらまくなり何なりして、基本的に円の価値を棄損し、内需拡大をやるしかないわけです。やり方はいろいろあります。そうしないと、円高・デフレは日本の産業をぶち壊すまで続きます。

あとは、政府・国民の決断次第だと思います。今が生きれなければ、後のことを心配しても始まらない。そんな切羽詰まった状況が、今の日本です。

さて、今日の東証は、円高と日銀のETF買いで結局は膠着状態でした。9月までもたせないといけませんので、日銀はこの2ヶ月で6兆円を使い切ってしまうかもしれませんし、そのつもりかもしれません。年間に直せば、36兆円の介入ですから、インパクトはそれなりにあるかもしれません。もっとも、その場合、9月以降はシラネー、の話になってしまいますけど。

もちろん、この状況では、対処に変更はありません。中長期買い方、総資金の15%まで、で様子見です。

良い週末を。

もう一度・・・feat..BENI童子-T
https://www.youtube.com/watch?v=GUz8_NrMSCM