比較生産費説。

皆さんも、経済学の教科書で勉強されたこともあると思いますが、比較生産費説、と、いうのがあります。

これは、リカードによって提唱された、貿易に関する基礎的な考え方です。

つまり、一国における各商品の生産費の比を他国のそれと比較し、優位の商品を輸出して劣位の商品を輸入すれば双方が利益を得て国際分業が行われるという説。なのですが、このリカードは、優位、と、いう概念について、技術移転が現在のように、速やかに行える、と、いう条件を加味していない可能性があります。

現代のように、資本が比較的簡単に国境を越える時代においては、各国における技術的差異はだんだん、小さくなっていきますので、結局のところ、国際的な賃金の大小が、いわゆる、比較優位に大きなウェートを占めることになります。

簡単に言えば、為替が安く押さえられれば、技術や部品の形で、他国から優位となる部分を導入すればほとんどの品目において自国の優位を保つことができるわけです。

アメリカが押し進めた、世界統一市場においては、高賃金国は不利になり、低賃金国が有利になるのは必定でした。トランプの不公正な貿易、と、いう概念はそこを主張しているのでしょうが、世界はまだ、理解には程遠い状況だと思います。世界がこれを理解しないなら、保護貿易に走るよ!と、いうのがトランプの論理で、この論理は日本にとっては不利ですが、論旨としては間違ってはいないと思います。もっとも、これを招いたのはアメリカの政策でしたから、事情が変わったので、この世界統一市場をやめよう!なんてのは、アメリカの勝手すぎる論理でもあるわけで、軍事力で世界を支配し、経済でも世界中から収奪したい、と、いう考えには、賛同できるアメリカ以外の国はないでしょうね。

そういうわけで、世界は賃金水準の良く似た国同士でブロック経済体制が徐々に敷かれる可能性を感じるわけです。それがなれば、この場合、日本にとっては、有利だと思いますが、それまでにまだ、時間がかかりそうな気配です。

さて、今日の東証は小動きでした。今日は月末で、月足の完成を見たわけですが、日経500・JASDAQは、悪くはないのですが、一方で、TOPIX・日経225・日経300・JPX400・東証2部など、総合的に判断すると、微妙な水準で、保合い継続、そんな感じです。また、REIT指数は、徐々に悪化中です。

したがって、様子見対処に変更はありません。

OCEAN(B'z)
https://www.youtube.com/watch?v=0EIfTtqc_9k